【シドニー5日AAP】 政府による全国域にわたる光ファイバー導入計画「ナショナル・ブロードバンド・ネットワーク事業」(NBN)に関して、シドニー西部ブラックタウンで5日、国内で初めてネットワーク接続開始となった。しかし、途中で回線が切れてしまう事態となり、連邦政府にとっては恥ずかしいスタートとなった。
同日、ブラックタウンにあるマックス・ウェバー図書館には、コンロイ・コミュニケーション相も駆けつけNBNの初接続のお披露目が行われた。接続が開始し、在メルボルンの児童本著者であるアンディ・グリフィス氏がビデオリンクを介して本を読んでいた際、回線が切断した。コンロイ大臣は「技術的問題が発生したようだ。(図書館のインターネットプロバイダーである)オプタスが修復可能であろう」と述べたが、NBN事業を担当するNBN Coによると、オーディオ・ソフトに問題が生じたため切断されたものであり、NBN自体に問題が生じたものではないとした。回線は数秒で再接続した。
NBN Coでは元々、光ファイバー導入の目標を今年6月30日までに34万1000軒としていたが、3月にこれを19万から22万軒に縮小させた。与党は、事業計画の進行に遅れが生じていることを認めたものの、2016年6月までには導入軒数をさらに130万軒増やすとし、全国で480万軒にNBNを普及させたいとした。しかし野党側は「今年だけで1カ月当たりの普及軒数はわずか5000軒。このペースだと目標達成には1世紀かかる」として、与党の対応の悪さを非難した。