【シドニー12日AAP】 4月27日に行われたレースにおいて、不本意な順位でゴールした競走馬「モーレ・ジョイヨス」が不調であったことを、レース前に複数の人が知っていたとして、大物馬主ジョン・シングルトン氏がセレブリティ調教師ガイ・ウォーターハウス氏などを非難していた件に関して、NSW州競馬協会は、シングルトン氏の行為は不適切であったとして罰金刑とし、ウォーターハウス氏は馬の体調に関する報告義務を怠ったとして有罪とした。ウォーターハウス氏はあくまで無罪を主張している。
シングルトン氏は、賭け師のエディー・ヘイソン氏から「ジョーンズ氏がモーレ・ジョイヨスの不調をレース前に知っていた」と聞かされた。この情報は、トム・ウォーターハウス氏(賭元・ゲイ・ウォーターハウス氏の息子)→ アンドリュー・ジョーンズ氏(ラグビー元選手)→ ヘイソン氏へと伝わったとされているが、シングルトン氏に同馬の不調を知らせず、情報を流出させたのは調教師のゲイ・ウォーターハウス氏であるとして、同氏を解雇した。
12日、NSW州競馬協会が行った審問会で、アンドリュー・ジョーンズ氏が証言。「レース前日、(問題の会話を交わしたとされる)ラグビー会場にはたくさんの人がいていろんな人と話したから具体的な内容は覚えていない。しかし、トム・ウォーターハウス氏はモーレ・ジョイヨスの不調に関する情報を私に伝えなかった。ただ、ヘイソン氏に対して話を誇張して伝えてしまったことについてシングルトン氏に対して謝罪した」と述べた。
競馬協会は、シングルトン氏に対して、その言動から「競馬界の品質を落とした」として1万5000ドルの罰金を科した。ゲイ・ウォーターハウス氏に対しては、モーレ・ジョイヨスの体調を協会に報告する義務を怠ったとして有罪としたが、同氏はあくまで無罪を主張。この件に関しては審問が続けられる。息子のトム・ウォーターハウス氏は、賭け台帳への不正行為やモーレ・ジョイヨスの体調に関する情報漏えいについての疑惑を晴らし、無罪とされた。