【キャンベラ14日AAP】 14日、連邦政府は来年度予算を発表した。注目されたのは、08/09年の経済刺激策により赤字となった国家財政をできるだけ早く黒字に転換させるために、どのセクターに対する予算が削減されるのかであった。黒字転換は、2016/17年度を目処にするものとみられている。
国民にとって身近なところで一番驚かされたのは、出産後に支給される「ベビーボーナス」の大幅減額だ。これまで、新生児1人当たり5000ドルが支給されていたが、新予算案では、初めての子に対するベビーボーナスは2000ドル、2人目以降は1000ドルとなる。ただし、出産後3カ月間は、養育助成金である「ファミリータックス・ベネフィット」タイプAが増額される。
2013/14年度予算案、主な内訳は以下の通り。
<勝ち組>
農家:4億20万ドルの予算で政府による特別ローン設立。農業従事者の借金返済支援のため。
身体障害者:メディケア税0.5%引き上げにより33億ドルを捻出し、全国障害者保健制度を構築
学校:今後6年間で94億ドルの教育予算投入
がん患者:抗がん治療に2970万ドル
シドニーの道路:連邦・NSW両政府が4億ドルずつ予算を出し、F3とM2の自動車道をつなぐ8キロのトンネル建設
<負け組>
連邦政府:今年は選挙が行われるというのに、180億ドルの国家赤字があることを発表せざるを得なかった。昨年、今年度中に黒字転換をすることを約束したばかり
納税者:税削減の延期
家庭:13/14年度に予定されていた養育助成金(180億ドル)の廃止
大学生:授業料、奨学金、控除額の支払い制度の変更。政府が250億ドルを捻出させるために行われた
喫煙者:25本入りの一般的なたばこの料金が7セント値上がり