【シドニー26日AAP】 シドニー南部クロナラで26日、フレイザー・アニング保守国民党のアニング党首による報道会見後、アニング氏の支持者とみられる19歳の男が、同氏を厳しい質問で追及した女性ジャーナリストに対し差別的な発言を行い、さらにこの男を追いかけたカメラマンと小競り合いとなる事件が起きたことが分かった。
アニング氏はクロナラで行われた会見で、イスラム系とスーダン系の移民を排除すべきとの考えをあらためて示した。その後、ジャーナリストらはアニング氏に対し、差別的な偏見のために地元の住民たちは“バッシングや攻撃の対象になっている”と指摘。女性ジャーナリストのエリザ・バー氏は、2005年にクロナラで発生した大規模な人種差別暴動を挙げ、同選挙区で支持を得られると考えているのかと問い詰めた。
その後、アニング氏の支持者とみられる19歳の男が、バー氏に対し差別的な発言を行い、この男を追ったカメラマンが男と小競り合いになったとみられる。モリソン首相は事件を受け、オーストラリアの政治で暴力は許されないと批判。メディア業界の組合は声明を発表し、「職務中に肉体的に脅かされたり襲われることは、ジャーナリストの民主性を守るためにも許されるものではない」との見解を示した。