【シドニー1日AAP】 世界で最も毒性が強い生物ともいわれるハコクラゲについて、シドニー大学の研究グループが、解毒剤となる分子を発見したことが分かった。ハコクラゲ一匹は、60人以上を殺すのに十分な量の毒を含んでいる。
シドニー大学のチャールズ・パーキンス・センターの研究グループは、ゲノム編集と呼ばれる遺伝子改変技術を使い、ハコクラゲに刺されて15分以内に接種することで、毒による症状を阻止する「解毒分子」を発見したという。
研究を率いたラウ氏は、この種の毒性の働きを分解する分子としては初めてだとして、「どのような毒性にも効果があるかもしれない」との見解を示した。また、解毒作用で壊死や皮膚の変形、痛みなどを完全に取り除くとする一方、心臓まひを阻止できるかについて、さらに調査が必要と説明した。