【ブリスベン19日AAP】 主にアボリジニのコミュニティーでの過度の飲酒を取り締まる目的で施行されたアルコール管理制度の合法性が問われていた件で、最高裁判所は19日、合法だと判決を下した。判決理由について同裁判所は、脆弱な先住民コミュニティーを保護する同制度は「特別措置」にあたるとして、人種差別法には違反していないからだとした。
同制度は、QLD州最北部のパーム島など、アボリジニの人口率が高い19のコミュニティーに適用され、アルコールの販売や所有を制限する制度。今回の裁判の原告側の中心人物であるジョーン・モニカ・マロニーさんはパーム島の住民で、2010年10月、規定量以上のアルコールを所有しているとして有罪判決を受けた。150ドルの罰金刑だったが、控訴を決意。アボリジニに対する直接的な人種差別だとして、有罪判決の取り消しを求めた。しかし昨年、ブリスベンの控訴裁判所で有罪判決が支持された。
最高裁が同制度を合法だとしたことを受けて、同州の警察組合は肩をなでおろした。なぜなら、違法判決が下された場合、各コミュニティーでのアルコール消費量が激増し、それにまつわる暴力件数が急増するのではと懸念していたからだ。