【キャンベラ10日AAP】 オーストラリアの著名な科学者が警告しているところによると、抗生物質の誤用により、国民の健康リスクが高まっており、ごく一般的な感染症による死亡率が上昇しかねないことが明らかとなった。
結核や黄色ブドウ球菌など、各種の耐抗生物質感染症の症例数が増加傾向にある。これらの感染症が病院や医療施設内に閉じ込められた状態になると、社会のより広範に影響を及ぼす恐れがある。
10日に発表された最近の報告書によると、「オーストラリア国内では、世界的傾向と同様、耐抗生の黄色ブドウ球菌の拡大が継続する」と予想されるという。また、「パプアニューギニアでの耐抗生の結核の現状が、オーストラリア国民の健康状態にリスクとなり、特にアボリジニやトレス海峡諸島民には高リスク」だという。
国内外の製薬会社では、新たな抗生物質の開発研究を縮小あるいは撤退する傾向にある中、報告書はより長期的な観点から、研究開発の世界的な再開を呼び掛けている。