【キャンベラ16日AAP】 ラッド連邦首相は16日、労働党が次期選挙で与党の座を確保した場合、炭素税を廃止し、その代わりに排出権取引制度(ETS)への移行を当初の2015年より1年前倒しして、来年7月から実施すると発表。9月頃に行われるとみられる連邦選挙で野党に差をつける狙いとみられる。
ETSへの移行には38億ドルの支出が見込まれているが、これについては、公務員の人員削減やクリーンエネルギー政策の廃止などで財源を確保するという。
首相によると、この計画が実行されれば、現在、二酸化炭素の排出量1トン当たり25ドル40セントであるものが、ETS施行後の2014/15年度には、1トン当たり6〜7ドルにまで下がるという。一般的な家庭における電気代で一週間に3ドル、ガス代で一週間に1ドル10セントなど、年間約380ドルの節約になる。
ラッド首相の発表に関して野党のアボット党首は、元々の計画を1年前倒ししただけであり、炭素税を実際に廃止したことにはならないと述べた。