【メルボルン17日AAP】 高齢者介護施設に関する問題を調査する王立委員会で、一部の入居者は「監獄に入っているような気持ち」を抱いていることが、明らかになった。ただ、ほとんどの場合では現実的な代案がないことも分かっている。
NSW州立大学のヘルシー・ブレーン・エイジング・センター(Centre for Healthy Brain Ageing)ブロダティー教授は、自分自身は施設で暮らしたくないと感じているのに、実際には退去が難しい場合の問題点を指摘。「彼らは自分たちを監獄の囚人のように感じている」と話した。
一方、老齢精神医学者や医師が報告した一例では、脳卒中で半身まひとなり、大人2人による24時間の介護が必要となった男性は、自宅介護ならば一日当たり2,000ドルのコストがかかるため、家族は介護施設へ入居せざるを得なかったという。男性は自由に帰宅することも出来ず、怒ったり悪態をつくなどし、医師らは「そのような患者を支援できないことを無力に感じた」と話した。