【シドニー7日AAP】 カー外相は7日、海外でトラブルに巻き込まれたオーストラリア国民に対する、現状の手厚い領事的保護レベルを低減すると発表した。昨年に海外の滞在先で逮捕されたオーストラリア人数は600人以上にも及び、緊縮傾向の外交関連経費をさらに圧迫しているという。
7日夜にシドニーの政策研究所「ローウィー・インスティチュート」で行われた外交政策討論会の席で、カー外相は今後の外交政策について明らかにした。外相は「オーストラリア国民の面倒を見るために、外交の時間が費やされ過ぎているが、多くの場合、自分の身の安全を自ら守るべきケース」だと述べ、「オーストラリア人が期待できる領事的サービスのレベルの変更を間もなく発表するつもりだ」とした。
一方、同討論会に参加した連邦野党で外務担当のジュリー・ビショップ議員は、「滞在国で法律を破った場合、その国の法律に従い、オーストラリア政府ができることには限界がある」と述べ、9月の連邦選挙で自党が政権を握った場合、急騰し続ける領事的予算の見直しを実施するとした。