【シドニー28日AAP】 オーストラリア産ワインの利益率が近年低下しているという。その原因として国内ワイン業界は、豪ドル高、製品の過剰供給、ニュージーランドワインへの不公正助成などを挙げている。
オーストラリアのワイン産業は、年間収益が約50億ドルとされている。だが全豪ワイン製造業者連合(WFA)は、製造費の増加が収益率を低下させていると指摘。また、現行の過剰生産傾向により、国内の買い手、主に大手スーパーが供給業者を圧迫する恐れがあると注意を呼びかけている。また、ワイン平等化税が当初の目的とは別の使われ方をしていることも問題だとし、改革が必要だと主張している。
さらに同連合は、近年の豪ドル高も収益率に大きな打撃を与えているとする。例として、2007年にはオーストラリア産ワインの64%が英国、米国、カナダで販売され、その売上高はワイン産業全体の約60%を占めていたが、その5年後の現在、同ワインの62%が海外で販売されているにもかかわらず、輸出による収益が産業全体に占める割合が43%まで低下しているとした。