【シドニー29日AAP】 病気が世界人口に及ぼす影響を研究する大規模調査の最新結果が発表された。それによると、非致死性の病気の中では、精神病と物質濫用が最大の発病原因であることが明らかとなった。
QLD大学の ハーヴィー・ホワイトフォード教授のチームが行っている「2010年ランセット疾病世界負担報告書」によると、オーストラリア国内の障害発生原因として、精神病と薬物・アルコール摂取が、筋骨格疾患に続く主要原因だと分かった。また世界規模では、糖尿病や卒中発作、エイズ、結核を凌ぐ負担を人類に与えているという。
研究対象の187か国と21地域における精神衛生負担の40.5%が、うつ病性障害だとされる。また不安障害(14.6%)、薬物摂取(10.9%)、飲酒(9.6%)がこれに続いた。報告書は、10~29歳の人口がこれらの疾病に最もかかりやすいとした。
世界的傾向と同様、オーストラリアの精神衛生負担も、人口増加と高齢化に伴い、年々増加している。また背痛やうつ病、摂食障害なども世界と同様、年々増加傾向にあるが治療率は低く、発症後何年も経ってから治療を受ける場合が多いという。