【シドニー18日AAP】 シドニーで開催中の22回国際草原会議で、鳥の生息を減少させる芝生の開発が発表された。空港での利用により、現在数百万ドル規模にのぼる鳥の衝突による航空機への損害を大幅に削減できる可能性がある。
ニュージーランドの研究所「アグリサーチ」で研究を続けるクリス・ペンネル教授は、昆虫を寄せ付けない新種の芝生を開発した。昆虫は通常、植えつけたばかりの芝生を弱らせたり枯れさせ、その跡地に雑草が生えるため、その堅い小粒の種子を好む鳥類が生息し始める。鳥類の生息率が高まると、航空機への被害の可能性も高まる。
同教授のチームがニュージーランドの2か所の空港で実験を行ったところ、この新開発の芝生を植えた箇所では鳥類の生息数が70%減少した。この芝生は天然の菌類や内部寄生植物も含有しており、昆虫の嫌がる化学物質を生成するという。また、ガンカモ科の草食性の野鳥をはじめ、タカなどを捕食者とするネズミなどが嫌う味もするため、野鳥やネズミが芝生の植えられた地域を避けるようになることが実証済みだ。これにより、空港での利用だけではなく、ゴルフ場やスポーツ競技場での利用も考えられる。