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17歳のエホバの証人に強制輸血命令

【シドニー27日AAP】   がんを患う17歳のエホバの証人の信者が、病院での輸血命令に対し控訴していた件で、裁判所は控訴を却下する判決を下した。

この少年は、悪性リンパ腫によるホジキン病の患者で、シドニー子ども病院に入院中。主治医の話では、輸血をしない限り、貧血症で80%の死亡率だという。しかし輸血を禁じるキリスト教の一派を信奉する少年は、「輸血の強制はレイプと同じ」だと主張し、今年3月の裁判所による輸血命令を不服として控訴していた。

しかし控訴裁判所は27日、「少年は高い知性を備えているが、生まれてからこれまでずっと(エホバの証人の)教えの中に閉じ込められてきた」として控訴を却下した。また、「個人の尊厳よりも命の尊厳のほうが重要」だとして、病院側の主張通り、少年への輸血を命じた。

一方、少年は来年1月に18歳になることから、その後の治療に関しては、成人としての権利を行使できると付け加えた。

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