【キャンベラ21日AAP】 オーストラリア政府が4年前にインドネシアのユドヨノ大統領の電話を盗聴したとされる件で、同大統領は20日、難民問題や防衛面での対豪協力を全面的に停止すると発表した。また、ジョクジャカルタ市ではデモ参加者らが、オーストラリア国旗を焼くなど抗議活動を続けている。
オーストラリア外務省の発表では、ジャカルタの同国大使館の外でも、21日にデモ活動が行われると予想されており、旅行者らに対しデモを避け、身の安全に十分注意するよう呼びかけている。
ユドヨノ大統領は現在、アボット首相宛てに抗議の手紙を書いている。2009年にオーストラリア政府のスパイが、大統領の携帯電話を盗聴したとされる件をはじめ、大統領の妻や側近者らに対しても盗聴行為を行ったとされることについて、公式の謝罪と完全な説明を求める意向だ。これを受けてアボット首相は、20日夜の連邦議会の席で、大統領からの手紙に迅速、完全、丁重に返答するつもりだと述べた。
一方、野党の外務担当のプリバーセック議員は、自由党の有力議員らが連邦選挙の前に、インドネシアとの二国関係をすでに緊迫させたと主張。「政府は正常な関係を回復させるために処置を講じることが重要」だと述べた。