【メルボルン27日AAP】 VIC州警察が27日に発表した四半期ごとの詐欺件数報告によると、同州では過去1年間にカード詐欺が約30%も増加したことが明らかとなった。警察はその主な原因として、最近使用され始めたカード決済技術に問題があるとしている。
同技術は「タップ・アンド・ゴー」と呼ばれ、カードでの支払いの際に暗証番号の入力や署名を必要としない。窃盗犯らはこれを悪用し、新機能付きのカードを郵便受けやハンドバッグ、自動車の中から盗み出し、繰り返し使用するケースが多発。カードにセキュリティー機能がないことを重く見ている警察では、主要銀行に対し「相互責任」について検討するよう働きかけたいとしている。
ルシンダ・ノーラン警視副総監は27日、警察の人的・物的資源には限りがあるとして、「(銀行が)一般社会の安全性に与えている悪影響について理解するだけでなく、州警察への悪影響についてもよく理解してもらう必要がある」と述べた。また、カード使用の制限額を引き下げるとの案については、根本的な問題解決にはならないと否定的見解を示した。