【メルボルン20日AAP】 セレブリティシェフのマギー・ビア氏は20日、高齢者介護施設について調査を進める王立委員会に出席し、ある施設で提供される一人当たりの食費が一日わずか4.5ドルというのは「不名誉なこと」だとして、改善を訴えたことが分かった。同氏が運営する基金団体には、高齢者やその家族から、施設で出される食事を改善して欲しいと要望する声が寄せられているという。
また、栄養士のサンドラ・イウリアノ氏は「基本的に入居者たちは栄養不足で餓死している」と強く批判。施設で提供される食事だけでは栄養が十分でなく、多くの入居者が家族の持ち込む食事から栄養を摂取せざるを得ないというのは「悲しいことだ」と述べた。
さらに、食事療法士のシャロン・ローレンス氏は、施設入居者の2人に1人、または3人に1人が栄養失調で、国内では約114万人の高齢者が栄養失調のリスクにあるほか、30万4,000人が実際に栄養失調との調査結果を示した。2016年の調査では、施設の平均的な食費を一日当たり6.08ドルとしているが、イウリアノ氏は刑務所では8.25ドル、自炊する高齢者では17.25ドルだとして、6ドルでは必要な栄養量を満たすことは不可能だとしている。