【キャンベラ17日AAP】 アボット政権による強硬なボート難民対策が、隣国インドネシアとの関係をまずくしている。
アボット連邦首相は、インドネシアはオーストラリアにとって最重要な隣人であり、前労働党政権はその関係を壊したと批判。ボート難民に対しては、必要なあらゆる手段を用いて、インドネシアの協力で「ボートを止める」と公約して、「主権領域防衛作戦」を展開した。
アボット政権は、難民船に対して、「船を引き返させ、船を買い上げ、船を引き戻す」との姿勢で断固としてオーストラリア領土に入れないとしている。
しかし、難民船を止めて戻すために、オーストラリア海軍の船が許可なくインドネシアの領海に入っていた。
インドネシア政府は、「難民船の引き戻しは問題の解決にはならない」として、受け入れを拒否している。この背景には、昨年明らかになった、オーストラリアの情報部員による、インドネシアのユドヨノ大統領とその妻、政府関係者の電話盗聴疑惑があり、オーストラリア政府との協力関係を一時的に停止している。
現在、オーストラリア政府の信頼を取り戻すためにも、アボット首相とビショップ外相の外交手腕が問われている。