【キャンベラ27日AAP】 連邦政府による失業支援金の支給基準を厳格化する計画について、野党や専門家らは「効果が期待できない」などとして反対の姿勢を示している。
現在、失業者には求職活動を行っていることを条件に「ニュースタート」支援金が支給されている。しかし、職をみつけようとしない人が多いことから、政府は、この支援金の受給者に対して、政府が提供する仕事に一定期間就くことを義務付けることを計画している。対象となる職業には、公共の場でのゴミ拾いや公園整備、庭の手入れ、老人ホームでの仕事などが含まれる。
就業の場は市など公共団体が主となり、就業者の保険やトレーニング費用など、雇用によって生じる必要経費は連邦政府が負担する。
この計画に対して、オーストラリア社会サービス委員会は、ニュースタート支援金は一日35ドルで、この基準を元に対象者の給与が決められると法定最低賃金を下回るとして計画を非難。また、オーストラリア・サービス業労組は、ニュースタート受給者を無料で雇用できるとなると、現在の有給就業者が職を失うことにつながると訴えた。
さらに連邦野党は、メルボルン大学がハワード政権時代に行った研究結果をみても、今回の計画は人々の就業機会を増やすことにはつながらないと述べた。