【シドニー12日AAP】 NSW州で行われている建築法規に関する調査会で、亀裂が見つかったシドニーのアパート住人が証言中に泣き崩れる場面もあった。
シドニー南部マスコットのマスコットタワー、132部屋の住民は6月半ばから避難を強いられている。所有者の一人、ビジェイ・ビタルさんは「いつ帰宅できるか娘に聞かれた」「保険があっても根本的原因がわかるまで使えない」と述べ、泣き崩れた。同じく所有者のアルトン・チェンさんも、「州政府の支援がなければ、多くの所有者が“居住不可能な家のローン”と代替住居費の両方を払うことになる」と述べた。マスコットタワーの共益費は周辺アパートに比べて高い。
同州で2018年10月、新たに建物開発証明法が可決されたことで、開発業者が法に準拠するよう政府に権限を与え、十分な保険を持たない建物管理組合に高額な罰金を科すことが可能になった。しかし、消費者サービス省は同法の施行日を明言できないでいる。
マスコットタワーの入居者組合によると、亀裂発生前から水道水が常になまぬるかったり、酷い雨水の氾濫、電線の誤った使用などがあった。組合は、州政府が建設業者に対する規制の枠組みを十分に確立しなかったために発生したとして、修理費用を求めている。