【キャンベラ26日AAP】 外国資本による競合会社との競争で苦戦しているカンタス航空に関し、同社売却法を改正する動きが出ている。労働党や労働組合らは、海外への雇用の流出に不安を抱いている中、アボット首相は19日、法改正後も同社は国内雇用者数を保証する必要はないと述べた。
首相は以前、連邦議会の席で、同社の繁栄には海外所有者率を制限する現行法を改正し、他社と平等に競争できる環境が必要だと述べた。だが19日、それはあくまで、困難な市場環境で苦労している一企業に対する感想だったにすぎないとした。また、「カンタスのすることは、同社経営陣の問題だ」と述べ、航空会社の運営は政府には関係ないとした。さらに、国内雇用者数を確保するなどの「密約」を同社と交わしていないと強調した。
一方、カンタスなどの国内有名企業に対し、国民は感傷的な気持ちを抱いているようだが、実際には、国民の4人に3人が海外旅行の際に他社を利用していると指摘した。また、国内自動車会社に関しても、「国民の多くがホールデンやフォードについて今でもセンチメンタルに感じているが、国産車を購入する国民数は減少の一途をたどっている」と述べた。