【シドニー7日AAP】 入れ墨愛好家らの祭典「オーストラリア・タトゥー・アンド・ボディーアート・エキスポ」が7日、シドニーで開幕した。9日までの3日間で、約250人の入れ墨師と1万6000人の愛好家などが参加すると見込まれる。
参加者のひとりでカリフォルニア在住のデービッド・ピエトロさんは、いつもスーツ姿。だがスーツの下には、完成に500時間費やしたという1つの巨大な入れ墨がある。「自分の顔があまりにも気に入っているから」という理由で、顔には入れ墨をしていないピエトロさんだが、全身に入れ墨をまとっている。片脚にはギャング団、もう一方にはテレビ番組にちなんだ図柄、また腹部、胸部、臀部はホラー映画の入れ墨で埋め尽くされているそうだ。
同イベントに参加する入れ墨師の中には、シドニーで45年間入れ墨を彫り続けてきた、「イラストレーティド・マン」経営者のトニー・コーエン氏の姿も見える。入れ墨産業で伝説的な存在の同氏だが、「入れ墨ブーム」が到来して喜ばしいと語る。ただ、最近は顔や頭に入れ墨をする人もいるが、自身の信条には反しているという。また、過去に若い男性から、ナチスドイツの国章のかぎ十字を彫るよう依頼された際には、「くだらない」として断ったそうだ。