【シドニー12日AAP】 NSW大学発表の研究結果によると、同州各地の自然保護地区でのディンゴーの殺処理が原因で、キツネの頭数が増加し、小型の有袋類やオーストラリア原産のげっ歯類の動物頭数が減少していることが明らかになった。そこで科学者らは、ディンゴーの毒殺処分の停止を求めている。
同研究の主任研究員で同大学のマイク・レトニック教授は、「オーストラリアの哺乳類の生物多様性の喪失に歯止めをかけたいならば、ディンゴーは毒殺されるべきではない」と述べた。また、賛否両論が出るのは分かっているが、ディンゴーが消滅した地区では、再繁殖をさせるべきだとも主張。その理由として、キツネや草食動物の影響を緩和できることを挙げた。
同研究によると、ディンゴーが減少すると、カンガルーやワラビーの頭数が増加し、地中に住む小型の哺乳類の生息する植生が、被害を受けるという。
同教授は、研究対象の国立公園では、公務員らがディンゴー用の毒を仕掛けていたと述べた。