【シドニー19日AAP】 NSW州政府は19日、シドニーのロックス歴史地区にある300近くの公営住宅を売却すると発表した。これを受けて住民らが結集し、同政府への怒りを荒い口調で示した。
ハーバーブリッジのふもと付近に位置するこれらの住宅の多くは、歴史的建造物の指定を受けており、その維持費などに多額が必要とされる。ガワード地域奉仕相は同日朝の発表で、維持費と家賃に対する助成額が高騰しすぎたため、売却を決定したと述べた。また、その収益は同州各地の公営住宅事業に還元し、現在入居待ちの5万7000人に役立てたいとした。
一方、同市のムーア市長は、売却の真の理由として、近隣で建設中の10億ドル規模のバランガルー大開発の影響ではないかと憶測。売却の発表はショッキングなもので、同相が取った手段は残酷だと強く非難した。