【ブリスベン4日AAP】 記録的な人気を誇ったラッド前首相に対して、周りのスタッフが意見を言えなかったのではないか、そんな証言が飛び出した。
2009年2月3日、当時のラッド労働党政権が、世界金融危機の経済刺激策と雇用対策として、住宅の断熱工事計画を発表。しかし、翌2010年に施工業者による工事ミスにより4人が死亡した事故が発生した件で、王立調査委員会が2013年に設置され、計画自体を含めた事件の調査が行われている。
委員会では、2009年2月の会議で潜在的な安全問題を持ち出した官僚が、当時世論調査で73パーセントの支持率を誇るラッド首相(当時)に対して、意見が言えなかったと施行コンサルタントのケビン・ハーバート氏は主張した。
断熱計画の実施前に、ラッド首相が問題点を考慮するかどうか、官邸スタッフのアンドリュー・ウィルソン氏に尋ねたところ、「73パーセントの支持を得ている首相に反対できるか?」と答えたと、ハーバート氏は述べた。
さらにウィルソン氏に、「首相はなにがなんでも(計画を)進めることを望んでいると言っているのか?」と尋ねると、「はい、本当にそうです」と答えたという。
しかし、ウィルソン氏は以前の聴聞では、ラッド前首相の人気について特にコメントはしていなかった。
調査委員会では今後も調査を続けていく予定。