【東京6日AAP】 日本を訪問しているアボット首相は、自由貿易協定(FTA)の合意について、期待はしているが確信がもてないとの感触を示した。
アボット首相は、今回の北東アジアへの初の公式訪問にあたり、オーストラリアにとって第2位の貿易相手国である日本とのFTA交渉の妥結を最優先の課題としていた。
首相は昨年9月の連邦選挙で、12カ月以内にFTAを日本、韓国、中国との間で取り決めると公約していた。
当初、アボット首相は、東京滞在中に協定が締結されると楽観的な見方をしていたが、ここにきて、やはり交渉は困難だということを認めざるを得なくなった。
首相より先に東京入りして交渉を進めていたロブ貿易相は、日本の農水相との会談で一定の前進は見られたものの、交渉が難しいステージに入ったことを認めている。
アボット首相やビショップ外相は、労働党政権下で交渉の進展が見られなかったことに対して、「失われた6年」だったと批難している。
また、ビショップ外相は、「日豪のFTA締結を期待しているし、少なくとも両国が締結に向けた公式発表をすることを期待している」と、ABCテレビに話した。
アボット首相は6日、安倍首相との私的な夕食の席で、FTA交渉の打開について話すものと思われ、7日の首脳会談でどのような発表がなされるのか注目される。