【キャンベラ13日AAP】 ワンネーション党のポーリン・ハンソン党首が、不正防止対策としてメディケアカードに顔写真の掲載を求めているのに対し、各方面から反対の声が上がっている。オーストラリア医師協会(AMA)は、改正により患者にも医療機関にも大きな負担がかかると懸念を示している。
AMAのバートン会長は、顔写真の掲載が不正防止につながるという証拠は全くないとした上で、乳児や幼児は成長に伴い、頻繁に写真を更新する必要があると指摘。保護者や医療当局の両者にとって負担になるとの見方を示した。また、地方部に住む先住民族コミュニティーでは、良質なID写真を入手することが難しいことから、良い結果につながらないとしている。
連邦の人的サービス省もまた、ワンネーション党による提案は保証がないとの見方を示した。国内では前会計年度のメディケア利用者による不正は84件にとどまっている。現在、メディケア利用者は25.6万人で、年間当たり約450万世帯分のカードが新規もしくは更新によって発行されている。