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豪学者、肝細胞で心不全治療に一歩前進

【シドニー1日AAP】   オーストラリア人の心臓病専門医が米国の研究者らと共に、心臓発作により死亡した筋肉の再生方法を発見した。これにより、現時点では移植が必要な心不全の末期患者らに対する治療の可能性が出てきた。

研究チームによると、大型の哺乳類の心臓修復のため、胚幹細胞(ES細胞)を利用する世界初の方法を発見した。だが他の幹細胞研究とは違い、移植後の筋肉組織は心臓の鼓動と同期化し、移植前の組織と同じ方法で、血液と栄養素を受け取るという。

同チームの主執筆者でシドニー大学のジェームス・チョン講師は、「これにより組織の生存期間を長期化できる」と述べた。これまでのところ、サルの実験で成果を上げているが、数年後には人間の治療にも応用できるだろうとした。

オーストラリアでは年間2万人の心不全患者が死亡している。チョン講師が研究対象としている末期患者らは、呼吸もできず、ベッドから起き上がることさえできないという。この長年の研究の結果、将来的には患者らの命を救うことができるかもしれないと語った。

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