【シドニー23日AAP】 タイの軍事クーデターにより、何千人ものオーストラリア人が現地で身動きが取れない状態だが、滞在費や航空機の変更などによる保険請求ができない可能性があり、自己負担を強いられる恐れが出てきた。
23日午後、タイの軍事クーデターを確認したビショップ外相は深刻な懸念を示した。同外相はABCラジオで、オーストラリア政府は現地状況に関する情報を収集しており、バンコクに向かうオーストラリア人に十分警戒するよう警告した。
タイ全国で、夜10時から翌朝5時まで夜間外出禁止令が出されている。現在タイにいるオーストラリア人の正確な人数は不明だが、少なくとも5000人が外務省のスマートトラベラーに登録していて、未登録者はさらに多い。
オーストラリア保険協会(ICA)のロブ・ウェラン理事長は、戦争や民生混乱、軍事的暴動等により生じるクレームは一般的な免責事項であり、保険契約は無効にならないが免責が適用されると話した。クーデターによる航空機のキャンセルや追加の宿泊費等の保険請求は、認められない恐れがある。
同氏はまた、タイに渡航するオーストラリア人向けに、すでに新しい保険契約を導入した旅行保険会社もあると述べた。
オーストラリア政府は引き続き、デモや抗議運動など政治的イベントや集会を避けるよう、旅行者に勧告している。