【キャンベラ4日AAP】 “ビルマ”か、それとも“ミャンマー”か。使う人や場所によって呼び名が変わり混乱が生じるとの理由で、2012年、当時与党だった労働党は、それまで何十年にもわたって使われてきた“ビルマ”を“ミャンマー”とすることに決めた。そんな中、アボット政権が、昨年終わり頃からふたたび“ビルマ”を使用していることが明らかになった。同時に、使用に一貫性がないことも指摘されている。
外務省のウェブサイトでは、国の概要説明に“ビルマ”が使用されている一方で、同じく外務省が海外旅行者向けに情報を提供しているサイト「スマートラベラー」では、“ビルマ”としたうえで、“ミャンマー”を括弧書きで併記。4日には、与党のクロガー議員が聴聞会で、連邦トップの使節が、首相から“ビルマ”を使用するよう指示があったにもかかわらず“ミャンマー連邦共和国”と呼んだことを追求した。
依然として指針は曖昧だが、政府の方針としては、外交官や使節は状況によってビルマとミャンマーを使い分けるとしている。そのほかヤンゴンの政府当局や、“ミャンマー”を採用している国々との間ではそれを尊重するが、オーストラリア国内、アメリカ合衆国、英国などとは“ビルマ”が使われる。また、在ミャンマーオーストラリア大使は、“ミャンマー政府”へ派遣されているため、在ミャンマーオーストラリア大使となる。