【シドニー17日AAP】 2週間前に施行されたNSW州の改正保釈法について、保釈基準が緩和されたと各方面から非難の声が上がっている中、州政府は保釈された人物の監視強化を行うと主張した。
法改正後、初の保釈許可を受けたのはスティーブン・フランク・フェーサス被告。17年前に自分の妻(当時18)を殺害したとして逮捕された。起訴されたのは昨年だった。
これまで、保釈を認めるための基準は起訴内容や保釈によって予測される危険度などだったが、改正法では、その基準が保釈申請を行った人物が市民の脅威となる可能性があるかどうかという点になった。
16日、NSW州最高裁で保釈が認められたフェーサス被告に対して、裁判所は、1日2回の警察署への報告義務、証人らへの接近禁止、また保釈規則に準拠しなかった場合は1000ドルの罰金刑を受けることなどを告げた。
反暴力団体「Enough is Enough」の代表は保釈法改正について、政府は予算削減のためにより多くの犯罪者を社会に戻し、被害者をさらなる危険にさらしていると非難した。