【シドニー19日AAP】 西シドニー大学のジェーン・アッシャー教授が行った研究によると、青少年のがん患者の4人に1人が、治療前に生殖能力への影響について知らされず、生殖機能を残すという選択肢が与えられていないことがわかった。医療ガイドラインでは、十代もしくは青年層のがん患者には、生殖機能へのリスクがあるため、治療の選択肢について治療の開始前に説明がなされる必要があるとしている。
オーストラリア・ニュージーランドこども腫瘍学グループのミーティングで、同研究の発表を行った、慈善団体「キャンティーン(CanTeen)」のパンドラ・パターソン助教授によると、「非常に心配な結果」、「多くの患者が憤り、後悔している」として、「若い患者たちは、治療期間を通して生殖能力について十分に説明がなされるべき」と主張した。
化学療法と放射線治療のどちらでも生殖能力にダメージを受けるが、がんの場所によってその危険性は異なる。毎年、約1000人のオーストラリア人の若者ががんと診断され、約80パーセントが治癒している。パターソン教授は、「いつか子供がほしいという希望をもつ人々にとって、子供を作る能力がないということは非常に辛く苦しいことだ」と話した。