【ブリスベン19日AAP】 ユネスコ世界遺産委員会は過去2年間、グレート・バリア・リーフを「危機遺産」に指定するかどうかについて検討を続けているが、これまでの環境保護への取り組みを評価し、最終決定を来年2月まで持ち越すことを決めた。
一方、ドーハで18日開かれた年次会議において同委員会は、アボッツ・ポイントの石炭積み出し港の拡張工事が承認されたことは残念だったと述べた。この工事による浚渫土砂が、リーフから20キロメートルしか離れていない場所に投棄される予定で、周辺環境への影響が懸念されている。また、環境政策の決定権を連邦からQLD州へ委譲したことについてもあらためて心配の声が上がった。
同会議に出席したQLD州のパウエル環境相は、「危機遺産」の登録決定が延期となったことについて、「もう少しやるべきことがあるという意味だろう」「来年のこの時期までには期待に沿えると確信している」と述べた。一方、グリーンズ(緑の党)のスポークスマンはラジオで、「3度目にして最後の警告だ」として、現在、リーフ周辺で行われていることすべてを抜本的に見直す必要があると話した。