【シドニー29日AAP】 カンタス航空が28億ドルという記録的な損失額を発表した翌日の29日、競合相手のヴァージン・オーストラリア航空は3億5560万ドルの赤字計上を発表したことで、2014年度はオーストラリアの航空史上、最も困難な経営環境の年だったとされるだろう。
企業再編に関連する一時的な出費と機体価値の評価引き下げが、両社の損失額に影響を及ぼした。申告前損失額は、ヴァージン航空は2億1170万ドル、カンタス航空は6億4600万ドルであり、両社の企業規模を考慮するとヴァージン航空の損失は遥かに大きい。座席占有数を巡る争いは終わったとされるが、マイレージ事業と法人顧客を巡って競うとし、財政難を切り抜けるために2社は異なる方法をとった。カンタス航空はマイレージ事業を引き続き完全保有するが、ヴァージン航空は同事業の35%を非公開投資会社に売却した。
ヴァージン航空のボーゲッティCEOは、「今後精力的に企業マーケティングを行い、2017年6月までに市場占有率を現在の25%から30%に増加させる。すでに適切なネットワークを設立済みで、より多くの顧客をカンタス航空から奪う位置にある」と話した。