【シドニー29日AAP】 米国のインターネット大手グーグル社は、QLD州で無人飛行機による試験的な最初の配送を行った。
グーグル社は29日、補給品やオンラインでの買い物を無人飛行機で配送する計画「Project Wing」を明らかにした。同社極秘研究所「グーグルX」は2011年より同技術に取り組んできたが、米国の厳しい航空規制により実社会での技術評価をオーストラリアで行った。
研究班は8月、ブリスベンの南西約130キロのワーウィック近郊にキャンプを設置。実験場から1キロほど離れたネイル・パーフィットさん宅の裏庭に、固定翼の無人機が地上約40メートルの高さで静止し、紐に吊るした小包を降ろした。小包が地上に到達すると、無人機は紐を格納し基地に戻った。パーフィットさんは中身を開封し、研究班に無線連絡で別の注文をした。研究班は翌週にかけて、救急箱や水のボトルなど30件の配送に成功した。
無人機は、複数の機体間での運転や突発的な故障への対処が必要で、また、飛行経路が市民のプライバシーを侵害せず、玄関前ほどの小さな場所に正確に配達する調整も要求される。通販サイト大手のアマゾン社も自動運転飛行機の試験中だが、両社とも米国を含む各国での商用無人飛行機の運転には、政府の認可を要するとしている。