【キャンベラ20日AAP】 連邦議会の上下院議長は20日、一度は承認したブルカ(イスラム教女性信者が着用する顔や体を覆い隠す衣服)着用者を連邦議会で隔離する案について、これを廃案とすると発表した。
一方、連邦議会事務局は、ブルカ着用者が連邦議会に入る際、顔を確認するために一時的にブルカを取ることを求めることができるとした。
元々、ブルカ着用者の隔離案については、先日、10人ほどの抗議グループが審議を中断させるために連邦議会内に入ろうとしたことが背景にある。連邦警察は、パリー上院議長に対して抗議者達はブルカを着て顔を隠そうとしていたと話した。
しかしイスラム系団体を始めとする各方面からこの隔離案について抗議の声が多く寄せられた。アボット連邦首相は今月3日に「ビショップ下院議長には隔離案について再考するよう話した」と述べた。
20日、ビショップ下院議長は野党労働党からの質疑で「連邦首相から再考について圧力があったのか」と聞かれ、ビショップ議長は「首相からは何も言われていない」と回答している。