【メルボルン23日AAP】 2009年2月に発生した、「暗黒の土曜日」と呼ばれるVIC州のブッシュファイヤーに関して、被災者らが火災の発生要因を作ったとされる電力会社などを相手取り集団訴訟を起こしていた件で、23日に開かれた裁判では、およそ5億ドルという記録的な額の賠償金を被災者らに支払うことが命じられた。
2009年2月7日、メルボルン北東部セント・アンドリュースなどの地域で広がったブッシュファイヤーでは119人が死亡。1000家屋が全焼し1000人以上が負傷した。
この集団訴訟では、電力会社のSPオースネット社、ユティリティ・サービス有限会社、持続性・環境保護省を相手取り損害賠償を求めていたが、今年7月、法的責任を認めることなく和解し、23日、VIC州最高裁がこれを認可した。
訴えを起こした1人であるキャロル・マシューさんは、「ブッシュファイヤーからほぼ6年が経ち、多くの被災者が日々の生計に苦しんでいることから、賠償金によって救われる人々がたくさんいる」と話した。マシューさんは息子のサムさん(22)をこのブッシュファイヤーで亡くした。