【シドニー13日AAP】 NSW州政府は、深夜の酒場への入店を取り締まるいわゆる「ロックアウト」法に関して、業界からの猛反対を受け、今年6月にも見直しを行う意向を示した。
ロックアウト法では、シドニー市中心及びキングスクロスの酒場への入店は午前1時半まで、酒類の販売は午前3時までと規制されている。法律施行後、飲酒絡みの暴力事件が顕著に減少している一方で、パブやクラブのオーナーらは法律によって収益が最大40%減少したと嘆いている。
2012年にキングスクロスで通り魔の襲撃を受け死亡したトーマス・ケリーさんの父親で、現在は反暴力を訴える活動を続けているラルフ・ケリーさんは、州政府が法の見直しを発表したことについて、「市民の安全はビジネスや金銭よりも大事であることを忘れてはならない」と強く訴えた。
シドニーのセント・ビンセント病院の医師によると、キングスクロスで頭部損傷の重体となって搬送される人の数は、ロックアウト法の導入によって2014年までの一年間で2割減少したという。