【シドニー22日AAP】 連邦政府とNSW州は、昨年12月にシドニー市中心で発生したカフェ人質立てこもり事件に関する答申書を発表。アボット連邦首相は、関係当局は犯人の男の監視を適切に行っていなかったと指摘した。
昨年12月16日、「リンツ・カフェ」で、犯人のマン・ハロン・モニスはカフェの従業員や客18人を人質に取って立てこもった。人質2人が亡くなり、犯人のモニスは射殺された。
モニスは事件当時、性的暴行罪など40の罪で起訴され一時釈放の身だった。また、1996年に自国のイランを出国してオーストラリアに入国した際に難民として永住を認められたが、これらの手続きに関して各方面から手落ちがあったのではないかという声が上がっていた。
アボット首相は、「モニスは我々のコミュニティに存在すべきじゃなかった。オーストラリアに入国させるべきじゃなかった。一時保釈させるべきじゃなかった。銃所持を認めたこともすべてが間違っている」と述べ、オーストラリア保安情報機構(ASIO)や移民省、連邦警察からセンターリンクに関してまで、モニスを審査した当局すべてに落ち度があったと述べた。
ベアードNSW州首相は、答申書はテロ犯の可能性がある人物の情報は公開されるべきであり、また違法に銃を所持する人を検挙する必要性も訴えた。同州首相によると、全国で違法に出回っている銃の数は25万丁に上るという。