【キャンベラ29日AAP】 中国が設立を提唱している「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に関して、アボット連邦首相は29日、同銀行設立に参加することを正式に表明した。
アジアインフラ投資銀行は、アジア地域の発展途上国のインフラ整備を今後10年かけて金融面から支援するために中国が設立を提案したもので、今月31日の設立メンバー入り締め切りを目前にして、これまで二の足を踏んでいたオーストラリア政府も、ロシア、オランダなどに続いて参加を表明するに至った。これまでのところ30カ国以上が参加を表明している。
ホッキー連邦財相は、イギリスやドイツ、イタリアなどの先進国が参加を決定したことでこの投資銀行が真のグローバル組織になると信じていると述べると共に、アジアのインフラが改善されることで世界経済の活性化につながることを望むと話した。
一方、米国は、同銀行の存在により中国がアジア地域経済でさらなる権力を手にする可能性を懸念していて、参加表明には今のところ至っていない。