【シドニー31日AAP】 2013年5月、7歳男児が実母とその恋人から虐待を受け死亡した事件に関して、母親に対する裁判が31日、シドニーのセントラル地方裁判所で開かれた。母親は故殺罪など複数の罪を認めた。裁判では男児に対する具体的な虐待内容が伝えられた。
男児3人を連れた母親(27)はそれまで愛情にあふれた態度で子ども達に接していたが、音楽プロデューサーの恋人(29)と知り合ってからその態度は豹変。恋人の男は3人の男児のうち知的障害を持つ男児(7)の障害を認めず、「厳しいしつけが必要」として虐待を始めた。
この男児は汚物にまみれた下着を頭に着用するよう強制されたり、兄弟から暴行を受けるなどされた。また、軍隊訓練さながらシドニー南部の海岸を料理用のフライ返しで殴られながら走るよう強要されているところを目撃されたこともある。
実母の恋人はこの男児の眉と髪をそり落とし、友人らに「マトリックス(映画)のキャラクターである“ネオ”の真似をさせた」と話していたという。
2013年5月、母親が「息子がホッピング・スティックで遊んでいて頭を打った」と緊急通報。駆けつけた救急隊員が発見したのは死後硬直が始まった男児の姿だった。男児の死因は脳内出血。通報が早ければ救出することも可能だったという。母親は後にホッピング・スティックでの出来事は狂言だったことを認めている。
母親は来月、再出廷の予定。