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豪実業家A・ボンド氏死去 功罪の声

【パース5日AAP】   オーストラリアで最も波乱に富んだ人生を送った大物の1人、元実業家のアラン・ボンド氏が死去した。享年77歳。

国民栄誉賞「Australian of the Year」を受章したボンド氏は、80年代に国内で大富豪の1人とされた。ヨットレースのアメリカズカップで1983年、同氏が率いるオーストラリア2世号が海外勢として初の優勝を果たし、国民的ヒーローとなった。

その一方、ボンド氏は1992年に破産を宣告し、1997年に12億ドルの詐欺罪で収監され、オーストラリア勲章も剥奪された。2000年の釈放後は早急に立ち直り、ビジネス誌「BRW」は2008年、ボンド氏の資産を2億6500万ドルと見積もった。

同氏の死去に対して、ブライアン・バーク元WA州首相はヨットレースでのボンド氏の功績を称え、ボブ・ホーク元連邦首相も、「国が意気消沈していた80年代初頭、ボンド氏が気分を高揚させた」と話した。

しかし、株主擁護団体のステファン・メイン氏はボンド氏について、「オーストラリア史上最大の詐欺師であり泥棒」と話した。ホッキー連邦財務相も、「ボンド氏はオーストラリアの評判を傷つけた」と話した。

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