【ホバート25日AAP】 国内ではアンザック・デーの日にも「社会的距離」をとる規制が実施されているが、南極では駐在するオーストラリア観測隊が集い追悼の意を表した。
コロナウイルスが世界的な感染拡大を続けている中、「氷の土地」である南極は感染のない唯一の場所。オーストラリア南極領土であるモーソン基地、デービス基地、ケーシー基地の3基地と、タスマニア島と南極大陸の中間にあるマッコーリー島には89人の観測隊員が駐在している。
25日の朝に行われた追悼式では、軍葬ラッパの演奏に黙祷を行なった。キム・エリス・オーストラリア南極局長は「今年のアンザック・デーの追悼式は南極観測基地にとって非常に特別なものだった」と語った。
南極ではまだウイルス感染が出ていないが、オーストラリア南極局(AAD)の業務や科学的研究に影響を及ぼしており、2020~2021年の夏シーズンの業務は縮小を余儀なくされている。
今年の11月にホバートに到着する予定の約5億ドルの新しい砕氷船ヌイーナは、コロナウイルス対策による旅行規制措置により、専門家たちが造船所のあるルーマニアに行くことができないため、到着が無期延期となっているという。