【キャンベラ28日AAP】 連邦・州・地域首相らが先週、NSW州が提案した15%へのGST(物品・サービス税)引き上げについて継続して検討することで合意したなか、草賀純男駐オーストラリア日本大使が日本での消費税引き上げによる影響を振り返った。
草賀大使は28日、「消費税の引き上げは難しい政治的事柄」「オーストラリアは日本と異なる状況下にある」と話し、連邦政府に特別な助言はしなかった。
昨年4月、日本は17年ぶりに消費税を5%から8%に引き上げた結果、第3四半期で景気後退状態に陥った。安倍総理大臣は、10%への消費税引き上げを2017年に先送ると約束して、12月の総選挙で勝利した。
国際通貨基金(IMF)は日本の政府債務について、歳出削減がなければ、今後15年間で経済活動の3倍近くに膨れ上がると警告している。2015/16年度の日本の債務対GDP比は230%近くであり、オーストラリアのそれは25%と予測されている。草賀大使は日本経済について、「アベノミクス」と呼ばれる積極的な金融政策や構造改革などにより、回復に向かっていると断言した。