【キャンベラ19日AAP】 中国は、オーストラリア産の大麦に80%の関税を課すと発表した。国内農家は5億ドル相当の大麦の種まきを終えたばかりだ。
中国は、オーストラリア産大麦の不当に安い輸出価格で自国農家が打撃を受けたとする反ダンピング税73.6%と、政府の不当な補助に対する税6.9%の計80.5%の関税上乗せを発表した。
連邦政府と国内農家はダンピングおよび財政補助を否定している。穀物生産農家会のアンドリュー・ウィードマン会長は19日、「業界に大きな影響を与え、今年の大麦の価値は5億ドル減少する」とスカイニュースで話した。
オーストラリアは中国にとって大麦の最大供給元。全輸出量の半分以上が中国に送られ、年20億ドルに上る。生産農家らは、先立ってオーストラリアと貿易協定を結んだインドやインドネシアで新たな輸出市場を模索する見通しだ。
バーミンガム貿易相は「貿易戦争に興味はない」と話し、判断を世界貿易機関(WTO)に委ねる選択肢も除外していない。WTOに提訴すれば決定に最長で3年かかる。