【キャンベラ18日AAP】 中国は新たに、オーストラリア産のワインに対する1年に及ぶダンピング(不当廉売)調査を開始した。
バーミンガム貿易相は、「ワインは市場価格を下回って輸出されておらず、輸出業者らも補助を受けていない」と話した。リトルプラウド農業相も、ダンピング疑惑をきっぱり否定した。
2019/20年度、中国へのワイン輸出高は11憶ドルに上り、オーストラリアにとって最大のワイン輸出市場になった。
オーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国だが、新型コロナウイルスの調査や南シナ海での領土権主張、中国政府の香港介入やオーストラリアの5Gネットワークから中国企業ファーウェイを禁止したことなどを理由に、両国の関係は悪化した。
中国は先立ってオーストラリア産大麦の関税を大幅に引き上げ、牛肉の輸入も一部停止した。また、中国人学生や旅行者に対し、オーストラリアへの渡航は危険と警告した。
ダンピング調査を受け、トレジャリー・ワイン・エステーツ(TWE)の株は13%以上下落し、オーストラリア証券取引所(ASX)での取引を中断した。TWEは「ペンフォールズ」など高級ワインを中国に輸出している。