【メルボルン20日AAP】 暦の上では秋を迎えた3月上旬、オーストラリア各地で気温の上昇が認められた。今夏はシドニーで39日連続で気温26度以上、パースでも過去最多の40度以上の日を記録するなど、専門家らは温暖化を警告している。
国民栄誉賞にあたる「オーストラリアン・オブ・ザ・イヤー」受賞者のティム・フラネリー博士は、「過去数か月に観測された気候は前例がなく、パリ協定で採択された対応がなされていない」と話した。気候評議会のアマンダ・マッケンジー会長も、今世紀末までに世界の平均気温は4~6度上昇する可能性があると懸念を示し、「太陽と風に恵まれたオーストラリアの気候にもかかわらず、代替エネルギーへの投資に関して諸外国から遅れをとっている」と話した。また、海面温度の上昇によってグレートバリアリーフのさんご白化現象が進むなど、国内の観光業にも気候変動による影響が出ていると指摘した。
ハント連邦環境相は20日、さんご白化現象の脅威レベルを2から3に引き上げ、即座の監視と対処が必要とした。