【キャンベラ31日AAP】 フェアワーク委員会(FWC)は31日、国内の最低賃金を7月1日から週15ドル80セント引き上げ、672ドル70セントとすると発表した。全体的に好景気といえる環境は、低賃金労働者の生活水準を引き上げるチャンスだという。上昇額は、オーストラリア労働組合評議会(ACTU)が提示した週30ドルを下回ったが、企業グループの希望額を上回った。
野党労働党のショーテン党首は「公平でバランスがとれている」と述べ、FWCの決定を支持した。
一方でACTUは、過去12年間で最低賃金と平均賃金の差が広がっているとして、この傾向が続けば米国のように低収入労働者を生み出すと懸念を示した。
オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCI)は、2.4%の最低賃金上昇率はインフレ率の倍近いとして、特に中小企業にとっての影響は大きいと指摘する。オーストラリア小売業協会(ARA)も、就労時間を短縮したり、新規スタッフの雇用を控えざるを得なくなる可能性をあげた。