【メルボルン3日AAP】 メルボルンで今月1日、体外受精(IVF)により妊娠した62歳の女性が出産したことが明らかになり、IVFの専門家から「高齢すぎる」出産について懸念する声が上がっている。女性は海外の施設で胎芽移植したとみられている。
出産したタスマニアの女性は、2010年に60歳の女性が記録した国内の初産最高年齢記録を上回る62歳での出産となった。IVFオーストラリアのピーター・イリングワース教授は、事例ごとに倫理委員会と検討して決定するとした上で、国内では通常51歳を超えた女性への治療はリスクを考えて行わないとの姿勢を示している。
一方、フリンダース大学のシェリル・ド・レイシー教授は、「ガン治療など、人間は様々な技術を用いて限界に挑んでいるが、そのような社会において物事に自然な限界といえるものがあるのかどうか、もはや分からない」との見解を述べた。