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抗菌せっけん逆効果で不必要 豪専門家

【シドニー9日AAP】  オーストラリアの感染症の専門家が、普通のせっけんを使用して水で手洗いすれば手の汚れは十分落ちるとして、消費者らは抗菌せっけんの使用を控えるべきとの見解を示している。また、抗菌せっけんが耐性菌の育成につながる危険性があると指摘している。

オーストラレーシアン感染病協会とオーストラレーシアン感染病予防・管理大学は、米国の食品・薬品管理当局による手洗いおよび体洗い用の抗菌せっけんの店頭販売を終了する決定に対して、歓迎する意向を示している。オーストラレーシアン感染病予防・管理大学のシャバン学長は、耐性菌の危険性を指摘したうえで、「医療以外の一般的な環境では必要ないと考えられる物質は、使用を減らしていくべき」と話した。

米国で販売禁止となったのは、歯磨き粉、薬用せっけん、洗剤などに使われるトリクロサンなど、抗菌作用のある19種類の物質を含む製品だが、オーストラリアの専門機関であるハンド・ハイジーン・オーストラリアのリンゼイ・グレイソン教授は、米国での決定は米国で店頭販売されている商品を対象としており、オーストラリア国内における判断基準は、全国手指衛生イニシアチブの勧告に準ずるとしている。

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